大阪地方裁判所 昭和41年(わ)2265号 判決 1967年10月04日
一、本店所在地
大阪市北区曾根崎上三丁目八番地の八
名称
大和企業株式会社
代表者氏名
国次未貞
代表者住居
豊中市桜塚七丁目一四八番地
二、本店所在地
茨木市元町七番一九号
名称
相互興業株式会社
代表者氏名
阪野嘉昭
代表者住居
大阪市東淀川区西三国町四丁目一二六番地
三、本籍
堺市市之町東四丁二七番地
住居
豊中市桜塚七丁目一四八番地
職業
大和企業株式会社代表取締役
氏名
国次未貞
年齢
大正五年三月三〇日生
右の者らに対する法人税法違反被告事件について、当裁判所は審理の結果つぎのとおり判決する。
検察官丸尾芳郎出席
主文
被告会社大和企業株式会社を罰金五〇〇万円に、
被告会社相互興業株式会社を罰金二五〇万円に、
被告人国次未貞を懲役八月に
それぞれ処する。
被告人国次未貞に対し、この裁判確定の日から二年間右刑の執行を猶予する。
理由
(罪となるべき事実)
被告会社大和企業株式会社は、大阪市北区曾根崎上三丁目八番地の八に本店を置き遊技場並びに飲食店を営むもの、被告会社相互興業株式会社は、茨木市元町七番一九号に本店を置き遊技場を営み、大阪国税局長よりその納税地を大阪市北区太融寺町一番地に指定を受けたもの、被告人国次未貞は、大和企業株式会社の代表取締役および相互興業株式会社の取締役会長として両会社の業務を統轄しているものであるが、被告人国次未貞は、
第一、前示被告会社大和企業株式会社の業務に関し、法人税を免れようと企て
(一) 昭和三七年四月一日より昭和三八年三月三一日までの事業年度において、同社の所得金額が四二、三〇〇、六九二円、これに対する法人税額が一五、八一四、七八〇円であるのに、売上金額の一部を除外する等の不正の行為により右所得金額中三二、九三〇、八五六円を秘匿したうえ、昭和三八年五月三〇日大阪市北区所在の北税務署において、同署長に対し右事業年度分の所得金額が九、三六九、八三六円、これに対する法人税額が三、三〇一、〇八〇円である旨過少に虚偽記載した法人税確定申告書を提出し、もつて同年度分の法人税一二、五一三、七〇〇円を免れ、
(二) 昭和三八年四月一日より昭和三九年三月三一日までの事業年度において、同社の所得金額が四五、〇七六、一九八円、これに対する法人税額が一六、九八四、一九〇円であるのに、前同様の不正の行為により右所得金額中三一、七八九、四一四円を秘匿したうえ、昭和三九年五月三〇日前示北税務署において、同署長に対し右事業年度分の所得金額が一三、二八六、七八四円、これに対する法人税額が四、九〇四、二二〇円である旨過少に虚偽記載した法人税確定申告書を提出し、もつて同年度分の法人税一二、〇七九、九七〇円を免れ、
第二、前示被告会社相互興業株式会社の業務に関し、法人税を免れようと企て、昭和三七年一二月一日より昭和三八年一一月三〇日までの事業年度において、同社の所得金額が三七、二五四、二九一円、これに対する法人税額が一四、〇〇二、五六〇円であるのに、売上金額の一部を除外する等の不正の行為により右所得金額全額を秘匿したうえ、昭和三九年一月三一日大阪市北区所在の北税務署において、野沢昇をして同署長に対し右事業年度分の所得金額は零である旨過少に虚偽記載した法人税確定申告書を提出し、もつて同年度分の法人税一四、〇〇二、五六〇円を免れ
たものである。
(証拠の標目)
一、大蔵事務官西脇勇の告発書
一、登記官谷口亀治郎、書記官奥長太郎各作成の会社登記簿謄本
一、国次未貞、坂野嘉昭各作成の会社定款写
一、大蔵事務官西脇勇作成の脱税額計算書説明資料と題する各書面
一、北税務署長和田信二各作成の法人税確定申告書証明書
一、西浦保、佐賀川芳三、野田ミカノ、中垣英則、池本重雄、阪野嘉昭、広田雅生、梅本正晴、堀寅雄、室進、黒川嘉一郎、野沢昇、岸上松郎、兼安晋八の各収税官吏に対する質問てん末書
一、野田ミカノ、阪野嘉昭、室進の検察官に対する各供述調書
一、梅田守人、樋川貞美、富永巧、広瀬洸、上村禎男、中村敏夫、松島浩、十河憲二郎、西本一郎、岡田喜三、弘本勝信、赤鹿正剛、三谷蔚、清水勇、西川兵衛の各収税官吏に対する質問てん末書
一、上村光三、岩淵房治各作成の供述書
一、友武一二、石橋二三郎の各収税官吏に対する質問てん末書
一、田中庸介、西田清晴、友武一二、坪井婦喜各作成の供述書
一、田中庸介、今西長治、兼安晋八、中垣英則、野口好彦、梅本正晴、城山幸郎、斎藤勝行、楢崎武彦、川添明美、向井公明各作成の確認書
一、間島茂雄、大隅俊彦各作成の供述書
一、押収してある銀行メモ帳一、小型ノート二、積立帳一、大和企業(株)関係預貸表綴一、普通預金名寄メモ一、定期通知預金名寄帳(担保台帳)一、定期預金ノート一、定期預金担保品記入帳二一、定期通知預金元帳綴二、外国上村定期預金ノート一、普通預金ノート、元帳二、新梅田会社書類一、担保記入帳二、東亜商事(株)フアイル一、領収書綴一、総勘定元帳一八(仮還付)、坪井契約関係書類一、売上メモ六、小切手帳控一、振替伝票綴一、預り書一、増資関係書類綴一(仮還付)、領収書一、家具類見積書一、当座勘定受入副報告書三、領収書二、元帳三(仮還付)、山崎町中崎町売買書類一(仮還付)、不動産権利証書一(仮還付)、不動産売買契約証書等綴一、領収書二、不動産売買契約書一、領収書三、メモ二(昭和四二年押第二一一号の1ないし43)
一、大蔵事務官西脇勇作成の銀行調査書類、銀行関係確認書綴、別口預金関係元帳、売上関係調査書類、国次未貞個人預金、借入金一覧表、個人預金関係元帳、調査てん末書綴
一、被告人国次未貞の検察官に対する各供述調書
一、被告人国次未貞の収税官吏に対する各質問てん末書
一、被告人国次未貞作成の確認書および供述書
(法令の適用)
一、被告人国次未貞について
判示各所為 各法人税法(昭和二二年法律二八号)四八条一項(懲役刑を選択)
併合罪加重 刑法四五条前段、四七条本文、一〇条(判示第一、(一)の事実が犯情最も重い)
執行猶予 刑法二五条一項
一、被告会社大和企業株式会社および同相互興業株式会社
判示各事実 各法人税法(昭和二二年法律二八号)五一条一項、四八条一項
併合罪加重 (大和企業株式会社につき)刑法四五条前段、四八条二項
(裁判官 児島武雄)